神栖市子ども読書活動推進計画〈第三次〉策定しました
神栖市子ども読書活動推進計画〈第三次〉目次
- 発行/2021年3月策定/令和2年度 神栖市教育委員会神栖市立中央図書館
- ご留意ウェブ上で見やすくするため一部表記について,冊子版と相違するところがあります。(統計データ等の西暦年は、原則として1年度間です)
はじめに
子どもの読書活動は,子どもが,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものです。[※]
「神栖市教育振興基本計画」においては,豊かな人間性と創造性を備えた未来につなげる人づくりを進めるため,「じょうぶな身体と,たくましい心をもつ人間性豊かなひとづくり」「知恵と技をもち,未来をひらく向上心みなぎるひとづくり」「郷土を愛し,協力しあい,活力あふれるやすらぎのまちを創造するひとづくり」を神栖市の教育目標として掲げ,子どもたちが読書を通じて豊かな心を育み,「生きる力」を身に付けることができるよう読書活動の推進に取り組んでまいりました。
2011年に「神栖市子ども読書活動推進計画(第一次)」を,2016年には第二次計画を策定し,家庭・地域・学校等の関係機関と関係者が連携して,読書好きな子どもの育成に努めてまいりました。このたび,これまでの成果と課題を検証するとともに,社会状況や子どもたちの読書状況の変化,国や県の計画の趣旨に沿った「神栖市子ども読書活動推進計画(第三次)」を策定いたしました。
乳幼児期は,読み聞かせにより人の話を聞くことや言葉を学ぶとともに,人の気持ちがわかる心の豊かさや自分の気持ちを言葉に表す力が育ちます。小学生の読書は,国語力を向上させ,学びやコミュニケーション能力の基礎を得ることが期待されます。さらに,中学生以降の読書は,広い世界を知り・考え・判断する力を育むために大きな役割を果たします。これらを踏まえ,第三次計画につきましては,読書活動の習慣化と,さらに読書が好きな子どもの育成を図るため,子どもの発達段階に応じた読書活動へのアプローチを実施してまいります。 本市といたしましては,すべての子どもたちが本に出会うことができるよう,読書環境の整備を図り,多様な読書の機会の提供に努め,子どもの読書活動の推進に取り組んでまいります。 ※子どもの読書活動の推進に関する法律(基本理念)
「神栖市教育振興基本計画」においては,豊かな人間性と創造性を備えた未来につなげる人づくりを進めるため,「じょうぶな身体と,たくましい心をもつ人間性豊かなひとづくり」「知恵と技をもち,未来をひらく向上心みなぎるひとづくり」「郷土を愛し,協力しあい,活力あふれるやすらぎのまちを創造するひとづくり」を神栖市の教育目標として掲げ,子どもたちが読書を通じて豊かな心を育み,「生きる力」を身に付けることができるよう読書活動の推進に取り組んでまいりました。
2011年に「神栖市子ども読書活動推進計画(第一次)」を,2016年には第二次計画を策定し,家庭・地域・学校等の関係機関と関係者が連携して,読書好きな子どもの育成に努めてまいりました。このたび,これまでの成果と課題を検証するとともに,社会状況や子どもたちの読書状況の変化,国や県の計画の趣旨に沿った「神栖市子ども読書活動推進計画(第三次)」を策定いたしました。
乳幼児期は,読み聞かせにより人の話を聞くことや言葉を学ぶとともに,人の気持ちがわかる心の豊かさや自分の気持ちを言葉に表す力が育ちます。小学生の読書は,国語力を向上させ,学びやコミュニケーション能力の基礎を得ることが期待されます。さらに,中学生以降の読書は,広い世界を知り・考え・判断する力を育むために大きな役割を果たします。これらを踏まえ,第三次計画につきましては,読書活動の習慣化と,さらに読書が好きな子どもの育成を図るため,子どもの発達段階に応じた読書活動へのアプローチを実施してまいります。 本市といたしましては,すべての子どもたちが本に出会うことができるよう,読書環境の整備を図り,多様な読書の機会の提供に努め,子どもの読書活動の推進に取り組んでまいります。 ※子どもの読書活動の推進に関する法律(基本理念)
第I章 第二次計画における成果と課題
子どもの読書離れが憂慮される中,本市では,2016年に第二次となる子ども読書活動推進計画を策定し,様々な事業を展開し計画を推進してまいりました。
しかしながら,その課題の一つである「学校段階が進むにつれて読書離れが進む傾向」は,国の第三次計画でも引き続き課題とされており,子どもの読書活動が必ずしも定着しているとは言えません。
子どもの読書活動を定着させるためには,幼少期からの読書活動を文化として根付かせることが重要です。そのために,発達の段階に応じた取り組みを推進するとともに,読書に親しめるように配慮した環境の整備等に積極的に取り組んでまいります。
実務研修会の開催2016年度から,毎年開催しています。
しかし,小中学校図書館の蔵書数は,文部科学省の定める「学校図書館図書標準」を達成していない学校が多いため,児童生徒数に応じた蔵書数を早期に達成させることが重要です。また,学校から市立図書館が遠い地域の子どもたちは,貸出数が明らかに少ない状況が見受けられます。住んでいる地域によって読書がしづらい状況になるのを避けるため,さらなる読書環境の整備が必要です。
今年度実施したアンケート結果によると,5年前に比べて「本を読むのが好きだ」と答えた子どもがおよそ5割から3割に減少しております。これは,コロナ禍で長く学校が休校し,再開直後のアンケートであったため,身近に本が無く読書ができる状況になかった子どもが多数いたことが予想されます。コロナ終息後に計画途中で,再度アンケート調査を実施します。さらに,読書感想文を書くため,読書の冊数を増やすための読書は,読書嫌いな子どもをつくることが懸念されるため,慎重な対応が必要です。子どもが本の楽しさを知り,自主的に読書ができる子どもをさらに増やすための取組が必要です。
・市立図書館配本図書の再活用による学校図書館資料の整備充実
・市立図書館の団体貸出(配本事業を含む)やお薦め図書リストの作成
などがあげられます。
また,地域や家庭では,読み聞かせをしてはいるものの,回数は減少しており,本好きな子どもを増やすための取組が重要です。
「家読(うちどく)」は,朝の読書の略「朝読」の家庭版として考えられ,様々な取組が行われており,読書を通して「家族の絆づくり」をすることを目的としています。やり方に決まりはなく,各家庭それぞれに本の楽しみ方があります。家読(うちどく)推進プロジェクト
しかしながら,その課題の一つである「学校段階が進むにつれて読書離れが進む傾向」は,国の第三次計画でも引き続き課題とされており,子どもの読書活動が必ずしも定着しているとは言えません。
子どもの読書活動を定着させるためには,幼少期からの読書活動を文化として根付かせることが重要です。そのために,発達の段階に応じた取り組みを推進するとともに,読書に親しめるように配慮した環境の整備等に積極的に取り組んでまいります。
1 成果
(1)学校図書館支援センターの設置と実務研修会の開催
学校図書館の図書購入2018年から,年1回の購入から年4回程度とし,子どもたちからの読書の要望を早く取り入れられるようにしました。実務研修会の開催2016年度から,毎年開催しています。
1)学校図書館の図書購入
- 2016小学校15校/中学校8校 9,933,028円/5,506冊
- 2017小学校15校/中学校8校 10,965,493円/6,214冊
- 2018小学校14校/中学校8校 10,944,719円/6,076冊
- 2019小学校14校/中学校8校 12,221,466円/6,741冊
2)実務研修会
2016年度から毎年開催(2)司書による学校図書館の定期巡回訪問
- 2016小学校15校/99回 中学校8校/53回
- 2017小学校15校/100回 中学校8校/56回
- 2018小学校14校/97回 中学校8校/53回
- 2019小学校14校/95回 中学校8校/54回
(3)小中学校図書館の児童生徒1人当たりの貸出冊数
- 2015小学校 20.9冊 中学校 2.8冊
- 2016小学校 23.4冊 中学校 3.3冊
- 2017小学校 27.0冊 中学校 4.0冊
- 2018小学校 27.7冊 中学校 5.2冊
- 2019小学校 28.2冊 中学校 5.5冊
(4)学校図書館図書標準の達成状況(達成校/学校数)
- 2016小学校 10校/15校 中学校 3校/8校
- 2017小学校 4校/15校 中学校 0校/8校
- 2018小学校 5校/14校 中学校 2校/8校
- 2019小学校 8校/14校 中学校 2校/8校
(5)ブックスタートのフォローアップ事業
2~3歳児を対象とした「らっこちゃんタイム~おはなし会~」の実施及び、3歳の誕生月での参加者へ絵本のプレゼントを実施 実施回数/参加延べ人数- 20177回/204人 うち絵本配布51人
- 201812回/110人 うち絵本配布20人
- 201911回/225人 うち絵本配布26人
(6)矢田部公民館図書室での定期的なおはなし会の実施
司書による定期的なおはなし会を実施 実施回数/参加延べ人数- 20187回/81人
- 201911回/211人
(7)中高生向けの各種イベントの実施
- 2015コミック蔵出しまつり参加者数 97人
- 2016コミック蔵出しまつり参加者数181人
- 2017図フェス!!(市内中学校の美術部作品展,茨城県出身作家による著者を囲む会,市内中学校の吹奏楽部ミニコンサート,コミック蔵出しまつり)延べ参加者数189人
- 2018ティーンズによる作品展(家庭部,写真部,美術部等),コミック蔵出しまつり,ぬいぐるみ図書館員延べ参加者数236人
- 2019中高生世代向け企画(市内出身芸人によるトークライブ,音フェス,書道パフォーマンス,コミック蔵出しまつり) 延べ参加者数666人
(8)小中学校でのオリエンテーションの実施
年度の初めに,児童生徒に対し学校図書館の使い方や本の探し方などのオリエンテーションを行うことで,自分の力で読みたい本や調べたいことを探すことができるようにする。- 202020校で実施/22校(市内小中学校数)
(9)学校等配本事業の実施
市立図書館の配本事業を活用することで,小中学校図書館の蔵書数不足を補い,子どもたちの身近に本のある環境が増えた。年度 | 貸出冊数 | 貸出回数 | 配本先 | 備考 |
2015 | 22,150冊 | 131回 | 小学校14中学校5幼稚園保育所(園)8 | |
2016 | 24,400冊 | 152回 | 小学校14中学校6幼稚園保育所(園)11 | |
2017 | 26,150冊 | 166回 | 小学校14中学校6幼稚園保育所(園)14 | |
2018 | 15,600冊 | 96回 | 小学校13中学校6幼稚園保育所(園)13 | 中央図書館空調改修工事休館中(108日間)は休止 |
2019 | 26,800冊 | 177回 | 小学校13中学校6幼稚園保育所(園)14 | 幼稚園保育所(園)に認定こども園を含む |
2020 | 小学校14中学校7幼稚園保育所(園)17 | (年度途中ため貸出数は未掲載) |
2 課題
学校図書館への定期的な巡回訪問や研修,各校の選書や蔵書管理,環境整備や教職員・児童生徒への対応等運営全般に亘って支援しております。また,各学校では児童生徒の読書の要望に沿って学校図書館指導員等が読書案内や選書をしております。それにより,学校図書館での貸出数も年々増加しており,子どもたちの読書活動がより充実したものになっています。しかし,小中学校図書館の蔵書数は,文部科学省の定める「学校図書館図書標準」を達成していない学校が多いため,児童生徒数に応じた蔵書数を早期に達成させることが重要です。また,学校から市立図書館が遠い地域の子どもたちは,貸出数が明らかに少ない状況が見受けられます。住んでいる地域によって読書がしづらい状況になるのを避けるため,さらなる読書環境の整備が必要です。
今年度実施したアンケート結果によると,5年前に比べて「本を読むのが好きだ」と答えた子どもがおよそ5割から3割に減少しております。これは,コロナ禍で長く学校が休校し,再開直後のアンケートであったため,身近に本が無く読書ができる状況になかった子どもが多数いたことが予想されます。コロナ終息後に計画途中で,再度アンケート調査を実施します。さらに,読書感想文を書くため,読書の冊数を増やすための読書は,読書嫌いな子どもをつくることが懸念されるため,慎重な対応が必要です。子どもが本の楽しさを知り,自主的に読書ができる子どもをさらに増やすための取組が必要です。
【学校への具体的な支援】
・学校★(ほし)ほんお届け(市立図書館予約本の学校受取)サービス・市立図書館配本図書の再活用による学校図書館資料の整備充実
・市立図書館の団体貸出(配本事業を含む)やお薦め図書リストの作成
などがあげられます。
また,地域や家庭では,読み聞かせをしてはいるものの,回数は減少しており,本好きな子どもを増やすための取組が重要です。
【家庭での家読】
- 家族で同じ本を読む
- 子どもが大人に本を読み聞かせる
- 家族で同じ時間に本を読む
- 家族が読書体験を語る
- 家族で本を借りに行く
など
【地域】
公民館や児童館等でのボランティア団体等の取組への参加- ボランティア団体が中心となり読み聞かせ等の取組を行う。
- 児童館や放課後児童クラブなどでは,科学あそび,自然観察,クラフトなど,遊ぶ・作るなどの体験と読書を結び付けた読書活動を積極的に取り入れる。
3 アンケート調査(抜粋)の主な結果
「神栖市子ども読書活動推進計画(第二次)」の策定から5年が経過し,二次計画の推進による読書状況や意識の変化を比較し,成果や課題を把握するため,アンケート調査を実施しました。2020年7月アンケート実施対象者は,2015年度と同様に市内小学校(2校)の3年生・5年生,中学校(2校)の2年生,市内の高等学校(1校)の2年生,幼稚園・保育所・認定こども園の5歳児の保護者です。
(pdf 239 KB)
第II章 第三次計画策定の基本方針
1 基本方針
国の動向や第二次計画における成果と課題,法整備などの環境の変化等を踏まえ,更なる子どもの読書活動推進に取り組みます。(1)読書に親しむ機会の充実
子どもたちは,読書を通じて多くの知識を習得し,読解力をはじめ,想像力,思考力,表現力等の様々な生きる基礎力を養っています。子どもたちが読書の習慣を身に付けるためには,家庭・地域・学校がそれぞれの役割を果たし,社会全体で子どもの読書活動を支援していくことが重要です。
このため,学校・家庭・地域が連携・協力を深め,ボランティア等の協力を得ながら,その特性を生かした事業を推進することにより,子どもが読書に親しむ機会の充実に努めます。
(2)読書環境の整備・充実
子どもの自主的な読書活動を推進するためには,子どもの発達段階に応じて読書に親しむきっかけ作りや,読書の幅を広げられるような環境整備が必要です。子どもたちは,読書を通じて自ら学ぶ楽しさや知る喜びを体得し,さらなる知的探求心や真理を求める態度を培っています。
このため,関係者がそれぞれの役割を自覚し,子どもたちが自主的な読書活動ができるよう,資料,施設・設備,人的環境の整備に努めます。
(3)子どもの読書活動に関する理解と関心の普及
子どもは,読書する大人の姿を見たり,読み聞かせや昔話を聞いたりすることで,読書意欲が高まり,読書習慣が身に付いていきます。特に,子どもに身近な保護者や教員,保育士等の大人が読書活動に理解と関心を持ち,子どもを取り巻く社会全体で読書活動を推進する気運を高めることが必要です。
このため,子どもの読書活動の意義や重要性について,理解を得られるよう保護者や地域全体に積極的に働きかけていきます。
(4)GIGAスクール構想への対応【新規】
国の方針のもと,本市においてはGIGAスクール構想の整備を進めており,子どもたちがインターネット上の様々な情報を収集し,判断・整理することを学んでいくための環境が整備されます。これに関して,図書検索などのインターネットサービスの活用,更には電子図書館等新たなサービスを検討します。2 計画の対象と期間
(1)計画の対象
本計画でいう子どもとは,おおむね18歳以下の者をいいます。(2)計画の期間
本計画の期間は,2021年度からおおむね5年間とします。3 推進体制等
本計画を実効性のあるものとするため,関係機関と密接な連携を図るとともに,地域の民間団体等との連携をさらに深め,方策の効果的な推進を図ります。4 財政上の措置
本計画に掲げられた各種施策・事業を推進するため,市をはじめ関係機関等は,その役割に応じ必要な財政上の措置を講じるよう努めます。第III章 計画推進のための取組
1 家庭における取組
読書習慣は日常生活を通して形成されるもので,家庭は初めて本と出会い,読書習慣を身に付けるための大切な場所です。そのため,保護者が読書についての理解を深め,読み聞かせをしたり子どもと一緒に図書館に出向いたり工夫して子どもが読書に親しむきっかけを作ることが重要です。読み聞かせなどの「耳からの読書」はその後の読書習慣に大きく影響します。子どもたちは保護者の愛情を感じながら読書の楽しさを体得するため,読書に関する興味や関心を引き出すように子どもに働きかけることが必要です。
また,家庭での読書活動は,家族間のコミュニケーションを深めることにもつながるため,積極的に大人が子どもと読書を楽しもうとする姿勢や雰囲気作りが求められます。
こうした,家庭における読書活動を促すため,次の取組を行います。
(1)読み聞かせの実施
子どもは,絵本などのおはなしを聞くことが大好きです。子どもが物語を聞いているときは,登場人物になりきって想像の世界を自由に楽しみます。 登場人物のさまざまな気持ちにふれることで,他人の感情や思いを知ることができ,いろいろな世界を体験することにより,想像力や思考力など様々な力を身につけていきます。絵本などを通じて親子の絆を深められるよう,幼いときからたくさん読み聞かせをしましょう。また,全ての赤ちゃんを対象に市が実施している「ブックスタート※」を活用しましょう。
※ブックスタート絵本を介して親子のふれあいの時間を持つきっかけを作る活動で,神栖市では絵本,パンフレットなどを入れたブックスタートパックを配布しています。
(2)家読(うちどく)をする
保護者が子どもとともに読書の楽しさを分かち合うことで,子どもは読書に親しむことが自然とできるようになります。読書を通じて感じたことや考えたことを話し合ったりするなど,読書に対する興味や関心を引き出すように働きかけましょう。(3)いつでも読書ができる環境づくり
書店(オンラインを含む)で一緒に本を選んだり,図書館から本を借りたりして,子どもの身近に色々なジャンルの豊富な本を置いておき,いつでも好きな時に本を読める環境づくりをしましょう。また,子どもの好きな本と,保護者が読ませたい本は違う場合があります。嫌いな本を無理やり読ませるのではなく,よく話し合って本を選びましょう。(4)親子で図書館へ行きましょう
親子で図書館へ行き,一緒に本を読んだり借りたりしましょう。また,図書館で実施する催し物やおはなし会※などに,積極的に参加しましょう。※おはなし会:絵本,紙芝居の読み聞かせなどを行います。
2 小・中学校における取組
読書は,「思考力」「想像力」「表現力」「知識力」などを高められるものであり,「教養・価値観・感性等」を生涯にわたって身に付けていくために極めて重要です。そのため,子どもが自由に読書を楽しみ,読書の幅を広げられるよう環境整備と適切な支援が必要です。更に,読書の「質」と「量」を高め,多様な読書活動を推進していけるよう,授業等での調べものや全校一斉読書,学校での読み聞かせなど様々な取り組みが求められています。また,学校図書館には,自由な読書活動や読書指導を行う「読書センター」と,自主的な学習活動を支援する「学習・情報センター」としての機能があり,学校教育の中心的役割が求められ,資料の整備・充実は,読書好きの子どもたちを育む上で大変重要です。
学校では,図書紹介コーナーの設置など,司書教諭や学校図書館指導員を核として,すべての教職員が学校図書館の活用や日々の読書指導の充実により,子どもの読書活動を推進することが重要です。
このため,各学校における校内研修や研究会などを通じ,教職員間の連携の促進や読書指導に関する研究協議などにより,教職員の意識の高揚や指導力の向上,学校図書館を活用した指導の充実が求められています。これまではより多くの本を読むことに重点を置いてきましたが,今後は中身を吟味・比較して読む力をつけることなどが必要です。
(1)読書活動の推進【拡充】
- 朝の読書タイムなど,読書の時間の充実
- 学年,学級単位での読み聞かせやブックトークなどの推進
- 年2回の読書週間,読書月間を設置し,図書委員など子どもたちと職員がともに工夫しての取組
- 児童生徒が相互に図書を紹介する活動の実施
- 「本を入れるためのバッグ」を身近に準備しておき,子どもが学校図書館や学級文庫などで借りた本でいつでもすぐに読書し楽しめるような工夫
(2)学校図書館の資料及び環境整備の充実【拡充】
- 文部科学省の定める「学校図書館図書標準」の100%達成
- 学校図書館の「読書センター」,「学習・情報センター」としての機能を果たすため,自由な読書活動や自主的な学習活動を支援できるようバランスよく計画的な資料の整備(選択,収集,装備,除籍)及び,適切な管理
- 子どもたちが「自分たちの居場所」と感じられ,自主的に足を運びたくなるような魅力ある学校図書館とするための環境整備
- 学校図書館だよりやブックリストを作成し,季節や行事など旬な情報の提供
(3)授業での学校図書館活用の推進【新規】
- 新年度の初めには,『オリエンテーション指導案』を活用し,全児童生徒に対するオリエンテーションの実施
- 学校図書館支援センターが実施する職員等対象の研修会に参加し,児童生徒に対する読書指導の向上
- 子どもの読書活動における教育効果の重要性を,学校全体の共通理解のもとに司書教諭等が中心となって,「学校図書館活用実施記録(次年度年間計画)」を作成し,国語科のみならず全教科での積極的な学校図書館の活用
(4)保護者やボランティアとの連携
- ボランティア等との連携による「おはなし会」の積極的な実施
- 保護者やボランティアに対して読書活動の重要性や意義について,お便りなどでの伝達
(5)市立図書館との連携【拡充】
- 学校★(ほし)ほんお届け(市立図書館予約本の学校受取)サービスの活用
- 調べ学習用図書セット貸出の活用
- 配本図書の再活用による学校図書館資料の充実
- 市立図書館の団体貸出(配本事業を含む)やお薦め図書リストを利用した,学年にあった図書の活用
- 市立図書館司書による読み聞かせやブックトークの活用
(6)GIGAスクール構想への対応【新規】
1人1台端末が使えるようになることにより,様々な学習の場面で常にインターネット上の情報を見ることが可能となる。書籍などと比較しながら学ぶことができ,また楽しい読書につながるよう図書検索サイトを活用する。3 幼稚園・保育所(園)・認定こども園における取組
幼稚園,保育所,認定こども園においては,乳幼児期に読書の楽しさを知ることができるよう,身近な信頼するおとなが積極的に読み聞かせ等を行い乳幼児が絵本や物語に親しむことが重要です。また,保護者に対しては,読み聞かせ等の大切さや意義を広く普及させることが必要です。
幼稚園・保育所(園)・認定こども園では,乳幼児に直接接し,読書の楽しさを伝えることができることから,次の事業に取り組みます。
(1)幼稚園・保育所(園)・認定こども園における読み聞かせの充実
発達段階に応じた絵本や紙芝居などを活用し,季節や行事等に沿った読み聞かせの充実に努める。(2)乳幼児向け図書の充実
- 子どもがいつでも読みたい時に,本を手に取れる環境づくりに心がける。
- 市立図書館の団体貸出や配本事業,リサイクルを活用し,新鮮な図書の充実に努める。
(3)職員の研修
読み聞かせや読書に関する知識を高めるため,市立図書館等の研修会に参加するなど積極的に職員研修を行う。(4)保護者との連携
読み聞かせや読書についての大切さや意義を,お便り等で保護者に広く伝えていく。4 地域における取組
子どもたちを取り巻く地域には,図書館,公民館,児童館など,子どもたちを育てる様々な施設があり,そのような場所では地域のボランティアによる読み聞かせなど子どもたちの読書の楽しみにつながる取組が実践されています。こうした,地域の施設や団体がその特性を生かし,読書環境の充実に努めるとともに,図書館が中心となり互いに連携,協力することで,子どもたちが本とふれあう機会をより多く提供することが重要です。
4-1 生涯学習・子育て支援機関における取組
公民館,児童館,放課後児童クラブなどは,子どもが本とふれあい,読書に親しむことができる最も身近な場所です。各機関で実施されている様々な活動は,図書館と同様に子どもが読書に親しむきっかけとなっています。そうした機関や団体等では,子どもの自主的な読書活動を支援し,読書環境を豊かにする役割が求められていることから,次の事業に取り組んでいきます。
(1)児童向け図書の充実
児童館や地域子育て支援センター等,子どもや保護者が集う施設では,絵本等児童向け図書のコーナー等を設置し,図書の充実に努める。市立図書館の団体貸出やリサイクルを活用し,図書の充実を図る。
(2)読み聞かせの実施
保育士や保護者,地域のボランティアなどによる読み聞かせ等の活動は,季節や行事,発達段階に沿った内容で積極的に実施する。科学あそび,自然観察,クラフトなど,遊ぶ・作るなどの体験と読書を結び付けた読み聞かせを実施する。
(3)研修会への参加
市立図書館などが実施する読み聞かせや読書に関する研修会へ積極的に参加する。(4)保護者との連携
読み聞かせや読書についての大切さや意義を,お便り等で保護者に広く伝えていく。4-2 市立図書館における取組
図書館は,豊富な資料を備えており,子どもが自分の読みたい本を自由に選び,読書の楽しみを感じられる場所です。また,各種展示やブックリストなどにより,読みたい本についての情報を集めることができ,読書について相談できる場所でもあります。神栖市立図書館資料受入数21,879冊点(2019年)さらに図書館では,おはなし会や各種行事等,読書推進のための様々な事業を実施しており,地域における子どもの読書活動を活性化させるため,関係団体やボランティア等へ機会や場所の提供及び研修等も実施しています。
地域における取組の中で,図書館の役割は大変重要であり,子どもの読書活動の中心的な役割を果たすため,次の事業に取り組んでいきます。
(1)学校★(ほし)ほんお届けサービス【新規】
学区内に市立図書館が無い又は遠い等の理由で,市立図書館の本を利用しにくい子どもたち「個人」に対し,学校で「直接」市立図書館の予約本を貸出すサービスを実施する。2020年8月から小学校1校で試行開始(2)学校図書館を活用した授業の推進【新規】
国語科のみならず,全教科で学校図書館を活用した授業を推進するため,学校図書館アドバイザー(司書教諭)による,指導計画作成や授業実践等教職員への支援を行う。(3)学校図書館への支援【拡充】
- 学校図書館の図書購入や選書,除籍などの蔵書管理の支援
- 学校図書館を定期的に巡回訪問し,学校図書館指導員等への学校図書館運営に関する助言や情報交換
- 学校等での読み聞かせやブックトークの実施
- 子どもたちが「自分たちの居場所」と感じられ,自主的に足を運びたくなるような魅力ある学校図書館とするため環境整備の支援
- 調べ学習用図書等団体貸出用図書の充実
- 学校図書館支援センターの運営及び,支援センターだよりの発行
- 実務研修会の開催及び各種講習の実施
- 学校図書館アドバイザーによる図書館を活用したキャリア教育の実施
- 図書装備用品の購入
(4)GIGAスクール構想とデジタルサービス【拡充・新規】
市立図書館は2001年に図書検索を中心にウェブサイトを立ち上げ,その後開始したインターネット予約は,予約全体の約90%(*)を占めるなど,サイトでの情報提供とともに欠かせないサービスとなっている。今後,GIGAスクール構想により児童生徒1人1台端末が整備されることから,新たなデジタルサービスの導入を図る。
- 検索サービス:検索のみならず楽しく本が探せる・見つけられるサイトを作り,本が身近に感じられるように工夫する。
- 電子図書館:COVID-19等により来館しにくい状況において有効なサービスであるため導入を目指す。なお,主要な文芸著作の電子書籍化の進展,及び利用者ニ-ーズにあったタイトルの提供等の検討が必要となる。
*地方自治体における行政手続のオンライン利用の状況(総務省) 2018年度「図書館蔵書検索・予約」が最多(利用率67.4%)
(5)学校等配本事業の充実
学校図書館や学級文庫の利用を推進するため,司書教諭及び学校図書館指導員等と連携し,子どもたちの多様な読書ニーズに対応した選書をする。また,利用促進のための啓発活動を行う。(6)学校との連携による小中学校及び高校生向けサービスの実施【拡充】
見学・体験などの受入や各種イベントにより,図書館への興味関心と理解を得る。また,忙しくなかなか来館できない高校生が,借りた本の返却を負担に思わない配慮や,貸出しを工夫をし今後の利用につなげる。案内を作成する事により学校が市立図書館の利活用を勧める事が可能となる。- 図書館見学,職場体験,インターンシップの受入
- 市内の高校への返却用ブックポストの設置と学校★(ほし)ほんお届けサービス
- 青少年向け講演会等の各種イベントの開催
- 「小中学校のための市立図書館活用案内」の作成
(7)児童・青少年向け資料の充実及び情報発信
- 乳幼児から中高校生向けまで,年齢に応じた幅広い資料を収集し,魅力ある書架や居心地の良い親しみが持てるコーナーの作成
- 青少年向けの展示やコーナーの充実,「ティーンズ通信」等を作成かつ利活用した中高生の利用促進
(8)ブックスタート,ブックスタートフォローアップの実施【拡充】
2か月児を対象とした健康増進課で実施の「赤ちゃん訪問」時に,ブックスタートパック(絵本,赤ちゃん用お薦め図書リスト,図書館案内パンフレット等)の配布とブックスタートの啓発を行う。2~3歳児対象にフォローアップを目的としたおはなし会を実施し,ブックスタートの目的を啓発,3歳の誕生月に参加した幼児にはその後の読書につながるよう3~4歳向け絵本の配布を行う。
(9)赤ちゃんタイム・キッズタイムの実施
乳幼児連れの保護者が,子どもが泣いたりぐずったりしても気兼ねなく図書館を利用できるよう,周りを気にしなくてもよい時間を設ける。また,ボランティア等による赤ちゃん向けおはなし会及び子育て支援課との連携による子育てコンシェルジュの育児相談を実施する。(10)おはなし会の充実
本の世界を心から楽しむ機会を持つことで,読書への興味や関心,知る喜びへとつながるため,季節や行事等に沿ったおはなし会を,発達段階に応じて実施する。
(11)子ども向けイベントの実施【拡充】
こどもまつり,ふゆまつり,七夕まつり,一日図書館員等に加えて,子ども読書の日や読書週間などに,図書館クイズやお楽しみ袋の貸出し等を行うことで,図書館は楽しい場所と感じてもらい,より一層図書館に興味を持ってもらう。(12)ボランティアの育成と連携【拡充】
ボランティアの育成のため,ボランティア養成講座や研修等を実施する。また,図書館ボランティア連絡会を定期的に行い,ボランティアと図書館が相互理解を深め連携協力を図るとともにボランティア活動を支援する。(13)子ども読書活動に関する理解と関心の普及
市立図書館ホームページやツイッター,図書館だより等の発行,及び子育てタウンアプリ,新聞やタウン誌等,幅広い媒体を活用し,情報発信・啓発,広報活動の充実を図る。(14)青少年サービスの新たな視点【新規】
中・高校生が部活動等の成果を市民へ発表することは,地域文化の振興・発展にとって価値あることである。図書館にて中・高校生向けイベント等を実施することにより,中・高校生には発表の機会を,市民はなかなか観ることが出来ない部活動の姿を観る機会という両者の橋渡しをする。具体的には,音楽・書道パフォーマンス,写真・美術・手芸作品の展示などを実施する。ぬいぐるみ図書館員【ティーンズによる図書館応援】
また,イベントに参加した事により中・高校生は図書館を記憶の片隅に残し,いつか何かに困ったときに図書館を一助とすることを期待する。
資料編
1 子ども読書活動に関するアンケート結果について(pdf 1.09 MB)
神栖市における子どもの読書活動の現状及び読書に対する意識等を把握し,第二次計画の推進による読書状況や意識の変化を見るための基礎資料として,2020年7月にアンケートを実施しました。2010年度,2015年度に実施したアンケート結果と併せて載せているグラフもあります。2 市立図書館等関係データ(pdf 470 KB)
(1)市立図書館(18歳以下)の年齢別利用者延人数の推移(2)市立図書館(18歳以下)の年齢別貸出冊数の推移
(3)市立図書館の蔵書の推移
(4)学校等配本事業の推移
(5)実務研修会 講師大畑美智子 先生五十嵐絹子先生渡辺暢恵先生
よくある質問
Q 学校★(ほし)ほんお届けサービス,★(ほし)の意味は?
A 障がい者向け配送貸出(無料)や図書宅配便(有料)などと区別するため,「学校」本お届けサービスとしました。学校を強調する間に★記号をいれ,呼び方は「ほしほん」としました。 特別支援学級などで使われる星本(ほしぼん)と違うものです。
Q 前の二次計画との大きく違うところは
A 第三次計画の新たな事項をご覧ください。
Q 神栖市独自及び学校での取り組み内容について
A 2013年から各学校に学校図書館指導員を配置しています。
Q アンケート結果について「本を読むことが好きの割合が減少」 漫画を含めたアンケートを考えるべきではないか
A COVID-19の影響が少なからずあると考えていますので,計画途中に再度アンケートを実施したいと考えています。漫画を含むよう配慮いたします。
Q 子どもたちはタブレットで,市立図書館サイトにアクセスして本を借りられますか
A 今後,GIGAスクール構想によるタブレットで市立図書館の本を借りられるようにします。
Q 今年は小学校1校と試行中ですが,インターネットによる(予約して)貸出はありますか
A 2020年9月~2021年2月申込み件数166件 インターネット94件(57%)その他の方法としては,電話(18件11%),紙申込(55件33%)です。
次年度に向けて,市立図書館から遠い地区の学校から対象を広げる計画です。
Q 学級単位の貸出しはありますか
A 調べ学習用図書セット貸出は各学級で使われています。2019年度には13校に70回,2,800冊貸出ました。セットテーマ:社会科見学,新見南吉,職人工芸など41テーマ(2021年2月現在)
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